I. 機能
冷蔵庫の冷却システムにおける蒸発器の役割は「熱を吸収すること」です。具体的には以下のとおりです。
1. 熱を吸収して冷却する:これが冷蔵庫の核心です。液体冷媒は蒸発器内で蒸発(沸騰)し、庫内の空気と食品から大量の熱を吸収することで、庫内の温度を下げます。
2. 除湿:熱い空気が冷たい蒸発器コイルに接触すると、空気中の水蒸気が霜または水に凝縮し、冷蔵庫内の湿度を下げて一定の除湿効果が得られます。
簡単な例えで言うと、蒸発器は冷蔵庫の中に置かれた「氷」のようなものです。蒸発器は周囲の熱を吸収し続け、自らを溶かし(蒸発させ)、それによって周囲を冷やします。
II. 構造
蒸発器の構造は冷蔵庫の種類(直冷式か空冷式か)やコストによって異なり、主に以下の種類があります。
1. プレートフィンタイプ
構造:銅管またはアルミニウム管をS字型に巻いて金属板(通常はアルミニウム板)に接着または埋め込みます。
特徴:構造がシンプルでコストが低い。主に直冷式冷蔵庫の冷蔵室と冷凍室に使用され、通常は冷凍室の内張りとして直接使用されます。
外観: 冷凍室の内壁に見える円形のチューブです。
2. フィンコイル型
構造: 銅またはアルミニウムのチューブが、一連の密集したアルミニウムフィンを通過し、エアヒーターや自動車のラジエーターに似た構造を形成します。
特徴:非常に大きな熱(熱吸収)面積と高い効率。主に空冷式(無霜)冷蔵庫に使用されます。通常、ファンも設置されており、フィン間の隙間を通してボックス内の空気を強制的に循環させ、熱交換を促進します。
外観: 通常はエアダクト内に隠れており、冷蔵庫内部から直接見ることはできません。
3. チューブタイプ
構造: コイルは高密度の金網フレームに溶接されています。
特徴:高強度、優れた耐腐食性。業務用冷蔵庫の蒸発器として広く使用されており、一部の旧型冷蔵庫やエコノミータイプ冷蔵庫の冷凍室にも使用されています。
投稿日時: 2025年8月27日